埼玉県当院における働き方改革の現状と課題、埼玉県周産期センターの現状
さいたま赤十字病院
中村 学
さいたま赤十字病院は、さいたま市の中心地近くにある総合病院で、総合周産期母子医療センターとして、年間120〜140件の母体搬送を県内全域から受け入れている。また後期専攻基幹施設、種々のサブスペシャリティーの修練施設でもあり、婦人科救急・腹腔鏡手術・ロボット支援下手術・悪性腫瘍手術など生殖医療以外は全ての産婦人科診療を行っている。年間約1,000件の分娩と約900件の手術を行っている。
2025年9月現在で、常勤医師16名(男性8名、女性8名、うち育休中2名)と数名の非常勤医師で診療を行っている。当院での勤務体制は図1に示した。常勤医師の中には例年産休育休で休職している医師や、復帰後も当直ができない医師が数名いる現状がある。そのため、働き方改革に向けては当直医師の確保が喫緊の課題であった。

当院での働き方改革への取り組みを図2に示した。当院の場合、後期専攻医の数が年によってまちまちであり、人数によって業務負担や当直回数が大きく変化する。後期専攻医の確保が重要である。

現状と課題
非常勤医師の当直を取り入れたことにより、勤務インターバルは確保できている。
ただし、働き方改革前後での勤務環境変化に関しての医局員のアンケート調査では、業務負担は不変が多く、真の働き方改革は達成されていない(図3)。収入が減った医師もおり、モチベーションを維持するには給与面の改善が必要と思われた。

埼玉県内には総合周産期センターが2施設、地域周産期センターが10施設あるが(図4)、センター長に各センターでの取り組み(図5)と現状(図6)についてアンケート調査を依頼し、7施設から回答をいただいた。現状をみると、業務負担は不変の施設が多いが、中には専門医の負担が増加した施設もあった。さらには業務負担が増えたが、収入は減ったと回答した施設も存在した。



以上のように、現状では当院だけでなく県内周産期センター全体でも真の働き方改革には至っていないようである。今後は男性の育児休暇、介護休暇などの課題もあり、まだまだ改善が必要である。