適切な労働時間管理とは

労働時間とは、「使用者の指揮命令下におかれている時間」とされており、勤務医を含む職員の労働時間を適切に管理し、安全や健康に配慮することは、使用者・管理者の法的な責務とされています。

法規制や労働時間管理の対象となるのは雇用関係にある勤務医であり、経営者や管理監督者は対象となっていません。

労働時間の把握は原則的にタイムカードやICカードといった客観的な方法によって行うことが求められます。自己申告による場合は、パソコンの使用履歴などから把握される勤務実態と合致しているかの確認の実施や、適切な申告を阻む措置を行わないことが求められます。

医師の勤務では疎かにされがちですが、休憩時間の確保も必要です。6時間以上の労働で少なくとも45分、8時間以上の労働で1時間の休憩が与えられなければならないとされています。

ミーティングや研修会、学会発表やカンファレンスに加え、自己学習についても注意が必要です。自己研鑽であっても上司の指示・命令によるものや業務性の高いものは労働時間となります。労働時間として扱うべきものとそうでないものの仕分けについて、組織での取り決めと組織全体での共有が求められます。

時間外労働の削減をはじめとする働き方改革を進めるにあたり労働時間管理はその根幹となる部分です。自施設における管理が適切であるか、最初に確認しましょう。

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月策定)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/070614-2.html