7.問題点

① ACP はすべての患者に当てはまるものではない.誰に行えて,誰に行えないのかの評価する必要がある.当初行えなかった人でも評価を繰り返していくなかで受け入れられるようになることもある.
② いつが開始のベストのタイミングなのかが明らかになっていない.適切な時期は文献によって異なり,患者の受け止め方や性格などによっても異なると思われる.
③ 話し合いには十分な時間が必要であり,繰り返すため多くの時間を費やすことがある.時間的な問題が最大の障壁であるとする報告がある.忙しい日常臨床の中で時間をつくる必要がある.
④ 統一した意見が出ない場合がある(患者と家族の間に生じる摩擦や医学的な限界と患者の望むことに大きな隔たりがある場合など).継続した議論が必要である.
⑤ 患者が意思決定能力を失ってから出現する想定外のことや参加者間での意見の対立など意思の不一致が挙げられる.