1.超急性期の熊本県内の病院での助産師の活動

1.地震の揺れが収まった後,入院中の妊産婦と母子の安否確認を行いながら,避難経路の確保のため,ドアや窓を開放した.

2.新生児の体温低下を予防するため掛け物で覆い,母親に抱っこしてもらった.

3.点滴中の妊婦には,ヘパリン生食で管内をロックして輸液を中止し,一時避難場所に集合するよう指示し避難に備えた.自室から移動できない妊産婦には,定期的に訪室した.

4.前震後の翌日は,通常業務に加えて,

  ①職員や退院後の母子の安否確認を電話で行った.

  ②余震に備え避難経路の点検や非常持ち出し物品の点検を行った.

  ③停電に備え,患者のベットマップを印刷しナースステーションに掲示した.

  ④褥婦に母子健康手帳や出生証明書を含めた非常持ち出し物品の準備を促した.

5.助産師の勤務交代時には,医師と共に入院患者並びに,避難集合場所や役割を確認した.

6.電話が不通時には,スタッフ間の連絡はSNSを活用した.

7.本震翌日,病院機能が停止した病院助産師は,職員と共にチームに分かれ自主的に日中避難所を巡回した.周産期チームを編成し避難所巡回を開始したが,昼間の避難所に母子の姿はなくチームは解散し,市内病院の看護部長の話し合いのもと, 他施設産科の応援に専念した.