(2)医薬品アレルギー

1)診断の手順

  • 医薬品アレルギーの症状は多岐にわたるが最も多いのは皮膚症状,つまり薬疹である.
  • 医薬品使用後に皮疹が出現した場合,病歴から医薬品による薬疹なのか,医薬品以外の原因による中毒疹なのかを類推する.薬物の投与期間,サプリメントなどの接種歴,これまでの薬疹の既往歴,薬疹を生じやすい基礎疾患の有無,感染症に伴う中毒疹や発疹性ウイルス感染症などの可能性も含めて総合的に判断する.
  • 新たに医薬品アレルギーが疑われた場合や診断に迷う場合は薬剤リンパ球刺激試験やパッチテストなどにより診断するため専門医に紹介する.

2)管理の原則

  • 薬剤アレルギーと診断された場合は回避指導を行う.
  • 代替薬は種類が異なるものを選択する.抗菌薬では構造が類似しているものは交差反応を起こしやすいため,異なる系統を選択する.
  • 診断の確信度が低い場合や代替薬がない場合はチャレンジテストを行い,再投与の是非を判断することもある.