(1)日本脳炎ワクチン

・ 日本脳炎は幼少児と高齢者で重症化し,致死率が20~40%という疾患である.1960 年代には年間 1,000 人以上の罹患者であったが,日本脳炎ワクチンが 1976 年から定期接種となった.これにより年間の日本脳炎発生数が 10 人以下となった.
・ 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)との関連が指摘され,2005 年に接種勧奨差し控えとなったものの,疫学調査の結果,ADEM の自然発生率と差がなく,別のタイプのワクチンが登場したこともあり,2010 年から接種勧奨が再開された.さらには2016年には北海道(媒介蚊が生息していなかった地域)でも定期接種となった.