(3)本邦のAUB の実態

  • 調査期間における初診患者総数は61,740 人/ 2週間であった.そのうち,AUB を主訴に受診した患者数は8,081 人/ 2週間であった.自施設でAUB の診断を行った患者は7,917 人/ 2週間であった.これより,初診患者の約13%がAUB と診断されていた.
  • AUB system 1 では,子宮出血に関連した症状を訴えた人が56.9%,月経の周期異常に関連する症状を訴えた人が39.9%であった.
  • PALM-COEIN によるAUB 原因疾患をみてみると
    → 器質性疾患(PALM)では,AUB-L(子宮平滑筋腫)が一番多く,次いでAUB-A(子宮腺筋症),AUB-P(子宮内膜ポリープ),AUB-M(子宮内膜癌などの子宮体部悪性腫瘍)の順であった.
    → 非器質性疾患(COEIN)では,AUB-O(排卵障害)が一番多く,次いでAUB-N(分類不能),AUB-E(子宮内膜機能異常),AUB-(I 医原性),AUB-C(凝固異常)の順であった.

 以上より,AUB を主訴に受診する割合は約13%であり,そのうち,出血を主訴に受診する割合が約57%,月経周期の異常を主訴に受診する割合が約40%であった.AUB の疾患としては,器質性疾患(構造的疾患)としては子宮筋腫が多く,非器質性疾患(非構造的疾患)では排卵障害が多かった.