総論

 帝王切開術は,分娩に関与する産婦人科医にとって修得しておくべき代表的な手術手技である.まず,「総論」では,執筆者の施設で行われている「通常の帝王切開」における麻酔法や手術手技の標準的と考えられる内容を提示した.読者各位の施設で行われている実際の手技内容を検討する際の一助にしていただきたい.

 なお,帝王切開術は手技の流れ自体は型にはまっているものの,実際の手技の細かい内容をみると,コストやマンパワー,教育施設であるか否かなどを考慮して施設や医師の判断で多くのバリエーションを認めているのも事実である.したがって,「総論」に記載をされている内容以外の方法を行うことが即標準からの逸脱を意味しているわけではないことも明示しておく.