3.災害時における分娩支援システム-支援依頼方法-

 本邦における災害時における分娩支援システムとして,最も重要なのは「日本産科婦人科学会大規模災害対策情報システム」(PEACE)である.本システムは大規模広域災害(震度6強の地震や津波,広域な水害など)が発生し,複数の産婦人科施設が被災した場合に被災情報を取りまとめ,被災地への早期支援に役立てるためのインターネット上の情報共有システムであり,日本産科婦人科学会のホームページからエントリーできる.被災関連の情報を各施設(被災地内外の施設)が本システムに迅速に(24時間以内)入力し,被災地と支援側で情報が共有され,産婦人科,新生児科,小児科, 小児周産期リエゾン,DMATにより被災地支援を目的として活用されるものとなっている.被災地内の現状や,必要な支援に関する情報を提供し,被災地外から早急に援助・支援を目指すシステム体制となっている.本システムを生かすためにも皆が使い慣れていること,災害発生時に誰が入力するかなどの取り決めも平時から心得ていただきたい.また,同じページから「産婦人科災害時アクションカード」というPDFファイルへもアクセスできるので,大きくコピーして,見やすいところへ掲示することをおすすめする.