5.てんかん

ポイント

  • 自己判断で抗てんかん薬(AED)を中止・減量しないよう,十分に説明する.
  • てんかん治療担当科と連携し,AEDおよび葉酸などの血中濃度を測定する.
  • 突然死があり得るので,入院中は生体監視モニターの装着を考慮する.

症例

 38歳初産.脳に外傷の既往はあるが,てんかんの既往なし.無痛分娩で出産した.出血も少なかったが,分娩1時間後,夫と談笑中突然手に軽度の痙攣が出現.その後,意識消失,呼吸停止した.ただちに呼吸管理を行い10分後に回復した.退院後の脳波は正常で,脳の器質的異常は認めなかった.

 翌年第2子を妊娠し,同様に無痛分娩で出産した.分娩室で産後管理したところ,同様に分娩1時間後に意識消失,呼吸停止し,ただちに呼吸管理した.10分程度で回復し,その後発作は起こらなかった.