(5)プレコンセプション・ケア:チアマゾール(MMI)の催奇形性予防

 甲状腺疾患の診断がなされている女性のプレコンセプション・ケアは,妊娠前に活動性の甲状腺疾患を安定化させること,およびチアマゾール(MMI)で管理中の女性の薬剤催奇形性を回避するために以下を考慮する.

  • 若い女性で1~3カ月の間に妊娠を希望する場合は,プロピルチオウラシル(PTU)に変更する.ただしPTUは副作用があり,その場合にはMMIに変更し,リスクを説明する.
  • なかなか妊娠に至らない高齢女性や予定しなかった妊娠の場合は,妊娠反応が陽性になった時点で速やかにPTUに変更する.
  • 既にMMIで1年~1年半の治療歴があり,低用量MMIでTSH正常かつTRAb陰性の場合は,MMIを中止し厳重な(1週間ごとの)甲状腺機能のフォローアップを行う.中止後の再発には第1三半期ならPTU,第2三半期以降ならMMIを再開する.