(5)エストロゲン,プロゲステロンによる脂質代謝への影響
- 経口 CEE(結合型エストロゲン製剤)により血中 TG が上昇し,LDL は活性酸素により酸化されやすい小型粒子に変化する.
- 経皮 E₂ は TG を変化させないか低下させる.活性酸素に酸化されにくい大型のLDL 粒子を産生し,粥状硬化の進展を抑制する可能性がある.
- 経口 CEE では血中の小型 LDL の分布を増加させるが,経口と経皮 E₂ では変化させないことも報告されている 7)
- 閉経後のエストロゲン補充に含まれる経口エストロゲンにより HDL は 30%増加し,コレステロールの大部分を運ぶ成分である LDL を減少させる.プロゲスチンは HDL を低下させるが,この作用はプロゲスチンのアンドロゲン性と用量依存的に関連する 7).
- LEP 服用前後の脂質代謝に関しても,同じ機序で経口エストロゲンを含む LEP 服用前後に血中 TG は上昇し,LDL は減少する.HDL 上昇作用は,プロゲスチンのアンドロゲン性と用量依存的に抑制される 8).