(4)スクリーニング陽性の場合の対応

  • 検査施設もしくは行政担当者は,緊急対応が必要かをトリアージし,2次精査機関への速やかな受診を調整する.
  • 緊急対応が必要でない場合でも,多くの保護者は,精査機関での説明を受けるまでに,インターネットなどから正確ではない情報を収集し不安な状態で過ごしている場合が多い.保護者向けの正確な情報を提供している国立成育医療研究センターマススクリーニング研究室による website『新生児マススクリーニングで「陽性」となった赤ちゃんの保護者の方へ』を紹介する(https://www.ncchd.go.jp/scholar/research/section/screening/original3.html#3tab).
  • 保護者には以下を説明する.
    1. スクリーニングは見逃しを防ぐための検査であるため陽性となっても直ちに対象疾患と診断が確定されるわけではない.
    2. 精密検査により正常と判定されることがある.
    3. 特殊検査や遺伝学的検査が必要となり診断が確定するまでに時間がかかる.
  • 医療機関向けの各先天代謝異常症についての詳細は『新生児スクリーニング対象疾患等診療ガイドライン 2019』に記載されている.
  • 2014 年度よりタンデムマス・スクリーニング・コンサルテーションセンターで,全国の自治体,医療機関,検査機関のどこからでも質問,相談を受付け,必要に応じて専門家にアクセスできる体制をとっている(https://tandem-ms.or.jp/consultation-center).
  • 先天性甲状腺機能低下症および先天性副腎皮質過形成(21-水酸化酵素欠損症)については各疾患ガイドラインを参照されたい.

文献