（3）late preterm 児・SGA 児のフォローアップ

1 ）late preterm 児のフォローアップにおけるポイント

  • フォローアップにおいても短期的に問題になることは少ないため，医療者の注意や配慮が行き届きにくい可能性がある．正期産児と比較して脳性麻痺や発達遅滞の発症率が高い 3）ことなどから，慎重なフォローアップが重要である．
  • NICE（National Institute for Health and Care Excellence）guidelineでは，late preterm 児では少なくとも修正２歳までのフォローアップが必要としている 5）．
  • 胎児発育不全や低酸素血症など，神経発達予後のリスクファクターをもつ児では，４～５歳まで follow-up を行い，神経発達の適切な評価を受けることを提唱する報告もある 6）．

2 ）SGA 児のフォローアップにおけるポイント

  • ・成長をみていくうちに，出生時には分からなかった（あるいははっきりしなかった）身体的異常や，成長発達の問題が顕在化してくることがある．児の基礎疾患の特定の契機になることがある．
  • SGA 性低身長症の児では成長ホルモン治療の適応になることがある．両親に十分な情報を提供しておく必要がある．

3 ）退院後早期のフォローアップのポイント

通常の１か月児健康診査のポイントに加えて特に以下を確認する．

  • 体重増加は順調か？
  • 哺乳量は問題ないか？
  • 両親の育児不安はないか？
  • 予防接種の計画は立っているか？

4 ）感染症の予防

  • 在胎 35 週６日までに出生した児については，RS ウイルスモノクローナル抗体（パリビズマブ，ニルセビマブ）について説明する．
  • late preterm 児であっても，予防接種は基本的に暦年齢で通常と同様に行うこととされており 7），予防接種の計画についても家族に説明しておく．
  • 周囲が感染予防に気を配ることの重要性として，家族が手洗いやうがいなどの基本的な感染予防を徹底すること，家族が必要なワクチン接種を行うことを説明しておく．

参考文献

  • １）Raju TNK, Higgins RD, Stark AR, et al. Optimizing care and outcome for late-preterm（near-term）infants: a summary of the workshop sponsored by the NICHD. Pediatrics. 118: 1207-1214, 2006
  • ２）Wang M, Dorer DJ, Fleming MP, et al. Clinical outcomes of near-term infants. Pediatrics. 114; 372-376, 2004
  • ３）Perrini JR, Dias T, McCormick MC, et al. Increased risk of adverse neurological development for late preterm infants. J Pediatr. 154: 169-176, 2009
  • ４）Sommerfelt K, Andersson HW, Sonnander K, et al. Cognitive development of term small for gestational age children at five years of age. Arch Dis Child. 83: 25-30, 2000
  • ５）National Guideline Alliance（UK）: National Institute for Health and Care Excellence: Developmental followup of children and young people born preterm. NICU, London, 2017
  • ６）Reymundo MG, Suazo JAH, Aguilar MJC, et al. Follow-up recommendations for the late preterm infant. An Pediatr（Engl Ed）. 90; 318. e1-e18. e8, 2019
  • ７）Gagneur A, Pinquier D, Quach C. Immunization of preterm infants. Hum Vaccin Immunother. 11: 2556-2563, 2015