1 )問診
- 新生児・乳児期早期,特に哺乳開始後に不活発,腹部膨満,嘔吐,胆汁性嘔吐,哺乳力低下,粘液便,下痢,下血,体重増加不良などの消化器症状を認めた場合に疑う.
2 )検査
- 消化管アレルギーは,食べないことにより症状が改善する.抗原非特異的である場合は,消化器疾患の可能性も考慮する.
- 血液検査で好中球増多や好酸球血症を認める場合は消化管アレルギーである可能性が高い.
- 抗原特異的リンパ球刺激試験,便粘液細胞診による好酸球塊,また,可能であれば腸粘膜組織検査を行う.FPIES や FPIAP では粘膜内に好酸球浸潤を,FPE では粘膜障害を確認する.抗原特異性があることが重要で,抗原除去および負荷試験としてミルクでは下血するが加水分解乳や大豆乳では下血しないなどの所見が大切である.便潜血反応や便中カルプロテクチンなどの変化も参考になる.
- 消化機能やバリヤー機能が未熟な状態で負荷試験を行うと疑陽性を呈することがある.
- ミルク由来の蛋白のみならずほかの食物由来の蛋白に対する反応も評価し,いずれも陰性もしくは陽性であれば,抗原非特異的な反応として好酸球性胃腸炎などとの鑑別が必要となる.
- 加水分解乳は,母乳やミルクに比べ胃停滞時間が短く消化しやすい.ミルクを加水分解乳に変更し嘔吐がなくなってもミルクアレルギーと診断することはできない.