(3)生じた時の対応
- 心肺停止状態で搬入された児への蘇生処置が最優先である.
- 死亡状況の確認は診断確定に不可欠である.救急現場では SIDS 診断のための問診・チェックリスト 5)(図 16)を参考にした聴取が効率的であり,解剖医にも正確な情報提供ができる.後日の死因検索のための検体採取と保存が重要である.
- 鑑別診断としては,先天代謝異常症,致死性不整脈,冠動脈異常起始症,劇症型心筋炎,心・神経系先天異常,RS・百日咳・インフルエンザなどの感染症,窒息や虐待などの外因死が挙げられる.
- 医師法 21 条に基づき,異状死体として 24 時間以内に所轄警察署に届け出る.
- 原因究明のため行う解剖は医学的意義のみならず,児の死を受容する一助となるため,家族には解剖の必要性を十分に説明する.
- 自責感の強い遺族に対するサポート(グリーフケア)は欠かせない.