(2)AUB の疫学

  • 子宮出血異常(AUB)は,女性の3分の1が一生のうちにAUB を経験するとされる.生殖年齢女性のAUB の有病率は約3~30%といわれており,思春期と50 代で高いとされる.診断の構成要素には客観的なものと主観的なものがあり,医療機関を利用できる場合でも半数の女性が医療機関を受診していないことから正確な有病率を決定することは困難である.
  • 多くの研究は多量月経出血(HMB:heavy menstrual bleeding)に限定しているが,月経間の出血も含めると有病率は35%以上になる.症状の程度は仕事の生産性や生活の質を低下させるものからバイタルサインの変動を来すものまで様々である.