乳児湿疹は,アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎など様々な皮膚炎を含む(図 19).日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診断基準では,乳児の場合,「痒みを伴う湿疹が2か月以上慢性的に続くこと」が基準として記載されているため,乳児期早期の診断が困難となる.一方,世界的に用いられている The U.K. Working Party のアトピー性皮膚炎診断基準(https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/allergy/atopic_dermatitis.html)では,2か月以上の慢性の経過という基準がないため,早期診断が可能となる.実際,生後1か月時には,既にアトピー性皮膚炎を発症していることが分子レベルからも明らかとなった.生後1か月時のざ瘡からアトピー性皮膚炎になるケースも多い.