(2)分類

  • 抗原特異的 IgE の有無で IgE 依存性,混合性,非 IgE 依存性の3つに大別される.
  • 非 IgE 依存性食物アレルギーは①~③に分類される 2)
    1. 食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES:food protein-induced enterocolitis syndrome)
    2. 食物蛋白誘発直腸大腸炎(FPIAP:food protein-induced allergic proctocolitis)
    3. 食物蛋白誘発胃腸症(FPE:food protein-induced enteropathy)
  • FPIES は,食物抗原摂取後に嘔吐,下痢,下血などを来す比較的急性の疾患で,病変部は全消化管に及ぶ.乳児期早期まではミルクに対するものが多い,その他の食物に対する反応は離乳食開始後から認められることが多い.摂取後早期にアナフィラキシー様症状を呈するものも含まれる一方,慢性化すると FPE に移行し難治性の下痢症を呈し体重増加不良を来すこともある.
  • FPIAP は粘血便を主症状とし,新生児期から乳児期全般に認められる.内視鏡的にはリンパ濾胞過形成を,病理組織学的には好酸球性大腸炎を呈する.
  • FPE は食物抗原摂取後に2週間以上続く下痢や体重増加不良を来す慢性疾患である.小腸病変を主体とし,絨毛の萎縮や陰窩の過形成などの粘膜障害を来す.