(2)コンサルトのタイミング

  • 診察室での1回のみの軽症域高血圧(140~160/90~110mmHg)に対して治療を開始するかどうかは議論が分かれるが,自宅血圧も高値である場合や以前から高血圧を指摘されている場合は治療対象である.
  • 高次施設での管理,また早期から内科との連携が望ましいが,すぐに受診できないなどの理由で産婦人科での初期対応が必要な場合は,胎児への影響が少ない降圧薬であるメチルドパ(効果の立ち上がりに数日を要することに留意),カルシウム拮抗薬(長時間型のアムロジピンやニフェジピンCR錠を用いること)でまず降圧を図る.
  • これらで降圧を得られない場合は内分泌疾患や腎疾患による二次性高血圧の可能性,胎児発育不全や新生児低血糖の副作用があるラベタロール使用の必要性,なにより早産期では妊娠終結が必要となる可能性があるため,一次施設では高次施設に紹介または搬送しての精査・管理が必要である.