(1)late preterm 児・SGA(small for gestational age)児のまとめ

1 )late preterm 児のポイント

  • 在胎 34 週0日から在胎 36 週6日までに出生した早産児のことである 1)
  • 正期産児と同様ではなく,各臓器は程度の差はあるが未成熟な状態で出生している.

2 )SGA 児のポイント

  • 国際的に統一された SGA(small for gestational age)の定義はないが,わが国では出生時の体重および身長がともに在胎週数相当の 10 パーセンタイル未満の場合をSGA とする定義(日本小児科学会)が用いられることが多い.

3 )late preterm 児がもつリスク

  • 哺乳障害や呼吸器感染症を来しやすく,再入院の頻度が高い 2)
  • 正期産児と比較して脳性麻痺や発達遅滞の発症率が高い 3)
  • 将来の生活習慣病などのリスクと関連している可能性がある.

4 )SGA 児がもつリスク

  • SGA 児は AGA(appropriate for gestational age)児に比べ,成長障害・発達障害のリスクが高い 4)
  • 児に何らかの基礎疾患がある場合がある.
  • 将来の生活習慣病などのリスクと関連している可能性がある.

5 )late preterm 児と SGA 児における注意点

医療者の注意や配慮が行き届きにくい可能性がある.

< NICU/GCU への入院を要さなかった場合>

  • 正期産の正常新生児と同程度の在院日数で退院を迎えることも多い.

< NICU/GCU への入院を要した場合>

  • それ以下の在胎週数の早産児に比べて,重篤な合併症は少なく,短期間で退院することが多い.医療者が思う以上に両親が育児困難を感じていることがある.
  • 正期産児や AGA 児と比べて哺乳不良などの問題が生じやすい.
  • 在院中に両親が行うことのできる育児練習は,通常の正期産正常新生児とほとんど変わらない場合が多い.
  • 両親特に母親は,「早く生んでしまった」「小さく生んでしまった」という自責の念を抱えることが少なくない.
  • NICU への入院などによる母児分離は,両親の育児不安に影響を及ぼし得る.