(1)病態と原因

  • SIDS は「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず,しかも死亡状況調査および解剖検査よってもその原因が同定されない,原則として1歳未満の児に突然の死をもたらす症候群」と定義されている 1)(2005 年).
  • 最近では SIDS に原因不明・不詳,ベッドでの窒息例を含めて予期せぬ乳幼児の突然死(SUDI:sudden unexpected death in infant)という概念が提唱されている 2, 3)
  • 睡眠中の無呼吸からの回復が遅れるという皮質覚醒反応の異常が想定され,そのような素因を持った児に呼吸抑制を来すリスク因子が複数重なった時に発症しやすいとされる(トリプルリスクモデル 4),図 15).

①自律神経中枢未成熟  2~4か月児  ②未熟児  低体重  母の喫煙  養育者の喫煙  母の薬物濫用  遺伝的多型性 など  未熟児  低体重  母の喫煙  養育者の喫煙  母の薬物濫用  遺伝的多型性 など  脆弱な子  覚醒反応不全  ③外的  ストレス  うつぶせ寝  添い寝  柔らかい布団  過剰な暖房  軽微な感染  睡眠不足  鎮静剤投与  人工栄養  ベッド内のタオル  ・ぬいぐるみ・紐  ・ガーゼ  など  うつぶせ寝  添い寝  柔らかい布団  過剰な暖房  軽微な感染  睡眠不足  鎮静剤投与  人工栄養  ベッド内のタオル  ・ぬいぐるみ・紐  ・ガーゼ  など  SIDS  図 15.トリプルリスクモデル