(1)病態

  • 食物アレルギーとは「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象」である.消化器症状を呈する食物アレルギーは消化管アレルギーと呼ばれる.
  • 新生児期から乳児期に嘔吐,下痢,下血,体重増加不良などの消化器症状を呈するものは,非 IgE 依存性で細胞性免疫にかかわることが多く,新生児・乳児非 IgE 依存性食物蛋白誘発胃腸症(non-IgE-mediated gastrointestinal food allergy)と呼ばれる 1).「新生児・乳児消化管アレルギー」は同義語である.病変部は食道から大腸まで認められ,内視鏡的には好酸球性食道炎・好酸球性胃腸炎やリンパ濾胞過形成を呈するものが多い.