(1)意義

  • 日本では1977年より,6疾患を対象とした新生児マススクリーニングが開始された.症状がでてからでは十分な治療効果が得られない疾患や,発達の遅れ・知的障害を来す疾患が含まれる.症状がでる前に診断し治療することで正常な成長発達が期待できる.
  • 分析技術や診断法の進歩により,2014 年からは質量分析法(タンデムマス法)で一度に多数の代謝産物を測定可能となった.約 20 疾患がスクリーニングの対象になっている.
  • 対象疾患には,乳児突然死の原因疾患も含まれている.スクリーニングにより事前にリスクを知り不慮の新生児・乳児死亡を回避できるようになった.