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どうする? 婚活

■婚活が難しい?

 以前と比べてお見合いの機会も減っており、晩婚化しているといわれています。とくに産婦人科のように女性の多い職場は患者さんや妊婦さん、助産師さんをはじめとするスタッフも女性ばかり、しかも最近は若手医師は女性が7割で職場には未婚の男性はほとんどいなくて・・・なかなか出会いのチャンスがありません。他にも男女比が偏っている職場は少なくないでしょう。また、職場以外の出会いにおいても、仕事が忙しくてなかなか休日もとりにくい・・・疲れているとその休日にわざわざいろいろな所に出かけるのも面倒になりがちです。



■婚活のために仕事をペースダウン、退職するケースも

 そろそろ結婚したら、という周囲のプレッシャーも強くなってくると、ふと、このままの生活でよいのか、と悩んでしまうことも。思いきって退職、あるいは転職して婚カツに励もうかな、と悩んでしまうこともあるかもしれません。最近では、結婚や出産の前にそもそも「婚カツ」目的で仕事を変えるというケースも実際にあるといわれています。



■お互いの仕事を理解しあえるパートナーを

 結結婚、出産後も仕事を続けたい、と思っている場合にはパートナーとの協力関係が何よりも大切です。家事育児を上手に分担しないと仕事との両立が難しくなります。また、義父母など相手の実家との関係や、転勤が多いかどうかなど双方の職場事情も考慮する必要があります。




【婚カツ:私の場合】
2度目の出合いは・・・スポーツクラブ
Dさん

 私の場合、最初の夫は大学の同級生。大学時代からつきあっていましたが卒業と同時に結婚。夫は別の診療科に進みました。子どもはいませんでしたが、学生時代とちがい、休日も出勤や当直が多く、一緒に出かけることも、共に過ごす時間もめっきり減ってしまいました。顔を合わせても愚痴ばかりになってしまうようで話題も何となくかみ合わず、子どもをもつ機会もなく離婚することに。
 その後、研修も終わって仕事にも慣れ、専門医も取得しましたが、一人でいることが何となく寂しく感じるようになりました。そんなとき体力作りのために通っていたスポーツクラブの懇親会で出会ったのが今の夫です。医療関係ではなく会社の営業職でしたが、共通の趣味もあり、半年ほどで結婚することに。婚家は自営業で、夫は家事もそこそこできる人です。今では保育園の送迎など子どもの世話もかなりの部分を担ってくれていて、当直のときなど「お任せ」して安心して出勤できます。

出会いを求めて、見識も深まる一石二鳥の過ごし方。
Eさん

 医師になってもう8年、仕事が忙しく、月数回しかない休日もごろごろしているうちに一日が終わってしまうような生活でした なかなか出会いのチャンスがありません。他科の医師でちょっといい感じ、と思うと既婚者だったりして、周囲に独身男性も少なく、このまま仕事に忙殺されて年齢を重ねていくのか、と悲観的になることもありました。独身で時間のゆとりがあると思われているせいか、これまで地方勤務などもまっさきに引き受けさせられてきたように思います。子持ちの同僚が定時で帰宅するのを見るとやりきれない気持ちになることも・・・実家の両親からは結婚しないのか、と帰省するたびに言われるのでそれもプレッシャーでした。
思いきって非常勤に変わって時間と体力の余裕のある生活をしながら「婚カツ」しようかな、と思うこともたびたびでした。でもそこまでしても出会いが得られなければ、「仕事多忙につき」という錦の御旗も使えなくなるのでは・・・と思い直し、イベント、講演会、懇親会などに積極的に参加するようにしてみました。これまでは出かけるのもおっくうだったけれど実際参加してみると楽しいし、病院と家との往復では得られない見聞も広められ、知り合いが増えてよかったです。結婚にとらわれずに今の生活のなかで自然に出会う機会があったらな、と思います。

出会いは関連病院にあり!
Fさん

私は都会育ちだったので地方勤務は嫌だなと思っていたのですが、それが出会いのきっかけになるとは思ってもみませんでした。今のパートナーは他科のドクターですが同じ大学病院からの派遣でたたまたま同時期にその関連病院に勤務していました。大学より規模が小さいので院内でもよく顔を合わせるし、患者さんの診療をお願いしたときの対応がとてもテキパキしていて感じのいい人だな、と思っていました。医局の忘年会でたまたま隣の席になって、話もはずみ、その後本格的に交際が始まりました。私が先に大学に戻ることになりましたが遠距離交際は続き、彼が半年後に大学に戻ってきて結婚することになりました。大学病院にずっといたら出会わなかったかもしれなかった・・・と思うと、関連病院に行って得したような気がします。

【こんなパートナーなら仕事が続けられる! 私の場合】
ふたりで協力して子育てを
Sさん

 私の夫は大学の同級生ですが他学部でしたので医師ではありません。メーカーに就職しましたが現在は経営学修士を目指して大学院に通っています。子どもはいま0歳で、私の勤務先の院内保育園に預けています。
 夫が学生ということで比較的時間の融通がきくため、保育園の送迎や子どもの病気のときの対応は今のところほとんど夫がやってくれています。もちろんお任せばかりではいけないので、夫が論文のまとめなどで忙しいときは実家の母に頼むようにしています。
 会社や行政の保育支援サービスについいていろいろ調べてくれ、これからもなるべく2人で子育てできるよう協力してがんばっていこう、と励ましてくれて心強いです。

夫にも相応の家庭責任を!
Tさん

 夫は同じ医局の産婦人科医ですが、自分のペースで夜遅くまで仕事に専念するタイプでなく家族思いで細々としたことにも心配りをしてくれます。もともとは家事など全くできない人でしたが、私が当直の時などは『自分でやらなければ生きていけない!』 と必要に迫られたからなのか、今では大抵のことはできるようになりました。多くの男性は妻が当直で家を空けて自分の負担が増すことを嫌がり、妻には家事や育児に支障のない範囲(昼間だけ)で仕事をすることを望みます。でもそれは単に“楽でいたい” 、“甘えていたい” だけなんだな、と夫をみていて思います。自分はきちんと仕事を続けていきたい、それには夫にも相応の家庭責任を果たしてもらう、という考えをあらかじめ相手に伝えておくことは結婚を考える上で重要なことです。

夫婦で産婦人科医
Uさん

 うちの夫も産婦人科医ですが、彼の両親も医師であったせいか、私の仕事に理解があり、尊重してくれます。子どもがまだ小さいので退職して家にいたい、とか、パートでのんびりやっていこうかな、とか相談したこともありました。けれど、『君の仕事に対する認識はそんなものか!せっかくの技術を埋もれさせていいのか!』 と逆に諭されてしまいました。おかげでこれまでずっと常勤です。子どもが小さいときにも当直は月5,6回ありましたが、夫は家事も育児もそこそこは(けっして上手とはいえませんが)やってくれました。振り返ってみれば夫が産婦人科医としての仕事に誇りをもち、その重要性を身をもって家族に示してくれていたのだな、と思います。今では子どもたちも大きくなり、親の背中を見て育ったせいか、自分も医師を目指すといって勉学に励んでいて頼もしいです。

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