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■いつ、こどもをもったらいいの?

 性別、職業に関わらず、自分のキャリアプランの中でいつ家庭をもつか悩むことがあります。とくに女性の場合は妊娠、育児によって退職、あるいは仕事をペースダウンせざるを得ないケースが少なくありません。
 育休の延長、職場内保育園の整備など育児支援も以前に比べれば増えてきていますが待機児童問題などが報道されると不安も大きくなりがちです。子育てで忙しい時期に一時的に負担の少ない業務に転換する、再研修を受けて復帰を目指す、などさまざまなキャリアパスがあります。
 妊娠、出産を経て仕事に復帰したいと考えている場合、いろいろな支援情報を利用して上手にライフプランを立てていきましょう。


■妊活〜時間と心にもっとゆとりを

 最近、就活、婚活など、何かを目指して活動することを「○活」と呼ぶことがマスコミ等で一般的になっています。妊娠に向けて活動をしていくことも「妊活」と呼ばれるようになっています。でも妊娠をするために体調や環境を整えていき、望む時期に赤ちゃんを授かることは必ずしもたやすいことではありません。多忙な現代では、パートナーとお互いすれ違い生活にもなりがちです。
 パートナーと今後の妊娠、子育てについてよく話し合って、妊活の悩みを一人で抱え込まないようにできるとよいですね。社会においても、ワークライフバランスへの取り組みが進み、長時間勤務に縛られることなく、妊活のため必要な時間を確保できることが望まれます。


【妊活:私の悩み】
不妊治療を受けたいけれど自分の病院では気が引けるし、通院するのも難しく時間もとれません
Mさん

 社会人を経てから医師になり、後期研修のときに結婚したときは30歳を過ぎていました。子どもは早く欲しかったのですが専門医を取得してから、と思い月8回の当直もがんばって行っていました。ようやく試験にも合格したので、そろそろと思っていたところ地方に1年間派遣されることに。夫の仕事もあるので単身で赴任し、戻ってきましたがこんどはトライしてもなかなか妊娠に至らず毎月焦りは募るばかり。同じ病院の後輩が先に妊娠したのですが「君は子どもがいないから当直できるよね」と当直回数も増えてしまい複雑な気持ちです。不妊治療を受けたいけれど自分の病院では気が引けるし、かといって休みをとって通院するのも難しく時間もないので辛いところです。

妊娠出産は経験してみたいのですが、サポート体制もなく考えてしまいます
Oさん

 私は産婦人科専門医を取得してから留学もさせてもらい、サブスペシャリティの専門医にも合格して、いまは臨床でも研究室でも後輩の指導を行っている立場にあります。仕事よくがんばっているね、と上司にも期待されていて嬉しい気持ちはありますが、昨年結婚したのでやはり妊娠出産も経験してみたいと思っています。でも夫も私も実家は遠く、サポート体制もないので子どもが産まれたら仕事をセーブしなければならないかと思うと、今のままの生活のペースを乱したくない思いもあります。夫も私もそれぞれ月7、8回は当直があるし、休日もオンコールで呼ばれることがあり一緒に過ごす時間も多くないので不利だな、と思ってしまいます。

【出産の時期】
初期研修医のとき出産しました。
Aさん

私は初期研修医のときローテート途中の出産だったので、産休が明けたら残りの科からやり直すことにしました。でも専門医を取ろうと思い必死でがんばって復帰できました。

専門医になってから出産しました。
Bさん

専門医になってから出産しました。大学にいたので育児休暇も取得できました。復帰してから慣れるまで研究勤務を半年行って、臨床に戻ることができました。

大学院在学中でした。
Cさん

大学院在学中だったので妊娠中からこどもが1歳になるまでベッドフリーでした。外来や手術の予定に左右されないため自分やこどもの体調が良くないときも比較的休みが取りやすかったです。ただ、研究をまとめるためにはそれなりに意欲が必要でした。臨床復帰の頃にはこどもも自分も保育園にもだいぶ慣れてきて当直も行うことができました。

【出産、いつがお得?】
後期研修の終わりころに出産しました。
Lさん

私の場合は後期研修の終わり頃に一人目を出産しました。
時期的に専門医試験の提出書類を準備するのが大変でした。症例レポート作成なども育児の合間にやらざるを得ず、なかなかまとまった時間がとれませんでした。カルテを見直さなければまとめられない所もあり、育児休暇中に何回も大学病院まで足を運びました。育児でなかなか筆記試験の勉強に集中できず時間のやりくりが難しかったです。こんなことなら出産前から準備をしておけば良かったと後悔しました。
これから受験する方は直前になって慌てないよう、後期研修前半から症例のまとめを作り始めるとよいですよ!

保育園の4月入園にあわせて出産すればよかった。
Mさん

出産が夏だったのですが、年度途中ではなかなか保育園に入れないなんて知りませんでした。
産休明けでの入園を希望していたのですが無認可保育園すら空きがありませんでした。しかたなく入園できるまでは育児休暇を取ることに。何とか無認可園に預けられたのですが、自宅からかなり遠く、4月に認可園に移るまでの半年間は通園が大変でした。
自分の住んでいる地域の保育情報を役所などであらかじめ調べておけばとよかった、と思いました。4月入園のタイミングを考えて出産時期を考える人も少なくないそうです。産まれ月によらず安心して保育園が入園できるようにならないものかと思いました。

恵まれた職場環境の時に出産していれば・・・。
Nさん

いつかは子どもがほしいなと思ってはいましたが、常勤3人で勤務や当直をやりくりしていたので、とても抜けることは許されない状況でした。そんなとき、たまたま妊娠がわかりました。勤務緩和などの話はまったくなく退職に追い込まれることに・・・(詳しくは書けませんが、泣)
いろいろと辛い思いをしました。自分のような経験は他の人にしてほしくないです。大学に戻ったとしてもポストもないので、1年は育児に専念していました。 幸い医局の先輩に今の仕事を紹介していただきました。はじめは外来と検診業務で週3回からでした。患者さんたちに喜んでいただいているし、医局も助かっているといわれ嬉しかったです。だいぶ慣れてきたので常勤にならないかと言われています。大学病院ではないのですが医局員の人数が多く、常勤でも比較的時間どおりに帰れます。他にもお子さんがいて常勤という方もいるので心強いです。当直はありますが院内保育園が夜間も対応していただけるので何とかやっていけそうです。妊娠がわかったとき、こちらの病院に勤めていたなら、いったん辞めずに続けていられたかもしれないなと思っています。

【どうする? 二人目】
案ずるより産むが易し。
Sさん

子ども一人だけでも大変なのに二人目なんて!また保育園探しから始まって仕事の整理もあって、と思うと、とても気が進みませんでした。また一から出直しですから・・・
きょうだいがいたらいいな、と子どもが口にすることがあり、私自身も出産のタイムリミットが近くなったこともあり二人目にトライすることに。
ラッキーなことに順調に授かりました!
産後は上の子がやきもちを焼いて一時大変な時期もありましたが、一人目よりも家事や育児の手の抜きどころ(笑)もわかって、なんとかやってこられた感じです。ただ、上の子と同じ保育園には入れなかったので、それぞれ別の園への送迎が毎日負担です。朝病院に遅刻しないよう早めには出かけるのですが、それでも到着はギリギリです。いつでも身一つでひょいと出かけられた独身時代には予想もしないことでした。
最近では二人で遊んでいてくれるのでその間に家事を進めるよう工夫しています。二人だと手間が2倍に増えると思いがちですが、うちの場合は上の子が下の子の面倒をけっこうみてくれるせいか(もちろんけんかもしますが)手間は2倍でなく1.3倍くらいかな・・・

子どもは"人生の彩り"、そして"働き続けるモチベーション"。
Tさん

子ども3人なので、周りからは大変でしょう、とよく言われます。もちろん人数分、洗濯物も多いし食べる量も多いので家事も大変ですが、にぎやかで楽しいですよ。慌ただしいけれど人生に彩りがあっていいかな、と考えるようにしています。 3人だと、1人を連れて習い事などで外出するときも残りの2人が協力して留守番をしてくれるので心強いです(もちろんある程度大きくなってからですが)。同じきょうだいでも性格はさまざまで、子ども一人一人違っていろいろな可能性があるんだな、と実感します。
長女はすぐに認可保育園に入れなかったのですが、下2人のときは病児保育対応の院内保育園がある病院に勤めていたので助かりました。子ども1人が熱を出すと、きょうだいも次々と熱を出すので病児保育がないととても仕事になりません。子ども3人だと保育、教育にそれなりにお金はかかります。だから仕事をしていて経済的にも良かったと思うことは多いですよ。働き続けるモチベーションのひとつになっているかもしれません。

私の復帰時期に夫が育児休暇取得。
Uさん

私の場合、同じ時期に他に妊娠中のドクターがいたのですが、部長が「2人で1人分働いてもらえばいいよ、でも産後は絶対戻ってきなさい」と言ってくれて少しほっとしました。けっこう露骨に渋い顔をされたり迷惑がられることが多いですからね。 家では子ども二人で家事も育児も大変になる分、夫が かなり育児に参加してくれました。何よりも私の復帰の時期 に夫が育児休暇を3ヶ月取ってくれて助かりました。保育園 でも3人、4人とお子さんがいるお宅ではパパが送迎や園の行事に積極的に参加している方が多いですよ。