出生前検査とはなんですか?

出生前検査とはなんですか?

 赤ちゃんが産まれる前に生まれつきの病気がないかどうかを調べる検査のことをいいます。産まれてくる赤ちゃんの100人のうち3人には小さなものも含めて何らかの異常をもっているといわれています。しかし、数多くある赤ちゃんの異常の中で、出生前検査で診断できるものは、ほんのごく僅かしかありません。

 出生前検査は、精密超音波断層法検査(胎児超音波断層法検査)による形態異常(奇形)などの診断と、遺伝学的検査による染色体異常などの診断に大きく分けられます。妊婦健診で行われる超音波断層法検査は一般超音波断層法検査と言われ、胎児の発育や元気度などが評価されます。それに対して、精密超音波断層法検査は、胎児の形態(四肢骨格、臓器などが正しくできているか)を詳しく観察する検査で、妊娠初期から中期に1-2回行います。

 遺伝学的検査は、わたくしたちの体の細胞のなかに含まれる染色体などの遺伝情報について調べる検査です。正常のカップルであっても受精のときなどに偶然それらの遺伝情報に異常が発生することがあります。遺伝学的な異常は細胞の中の目に見えない異常ですので、胎児の遺伝学的検査はさらに難しくなります。具体的には、羊水検査、絨毛検査、NIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)、マーカー検査などがあります。

 いずれの出生前検査においても、検査を受けるメリット、デメリット、検査の限界などがありますので、きちんと説明を受けてから検査を選択することが大事です。特に遺伝学的検査を考えている場合や、親族や上のお子さんに先天的な異常があるような場合は、遺伝カウンセリングをうけてから検査を選択する必要があります。

 出生前検査はすべての医療機関で行っているわけではありませんので、検査を受けたい場合は事前に確認する必要があります。