37.ジャンプアップ13(何人分の心拍数図?)

 母体心拍混入以外にも不可思議な波形が記録されることがある(図説CTGテキスト,メジカルビュー社から引用)。

1.判読してください(図1)

 さて、どこから判読したものか、、、、。プローブの装着が悪いか、胎動が激しいか、poor studyと言えばそれまでだが、この不可思議な波形を深読みしてみたい。

 ちなみに、22歳初産婦、分娩第2期のCTGである。

2.何人分の心拍数図?(図2)

 まず、一番長く連続して心拍数変化が観察できるのは①部分であろうか。示していないが、直前のCTG所見からも①の部分は胎児心拍である。形からみると①部分は変動一過性徐脈と判読できる。

 ②部分はどうであろう。引き続く変動一過性徐脈のようにも見えるが、連続性がなく心拍基線が突然スキップし、かつ、インクが滲んだように基線細変動が増加し、母体心拍記録とも読める。

 では、③部分は誰の心拍であろう。②部分の心拍数はおよそ85bpmで、③部分は170bpmとその2倍である。いわゆるダブルカウント(ダブリング)と呼ばれるもので、1心拍が2回カウントされている可能性が高い。

 分娩第2期で痛みが強く、頻回な体位変換によりプローブがずれているようである。もし、プローブの移動だけで正しく胎児心拍が聴取できなければ、超音波検査で心臓の位置を確認し修正していただきたい。

3.心拍数基線がスキップしたら(図3)

 心拍数基線がスキップしている場合、ダブルカウント、ハーフカウント、母体心拍混入を考慮していただきたい。

 ダブルカウント(ダブリング)は胎児心拍のみならず母体心拍でも出現する。ダブリングには胎児心拍と母体心拍が重なりカウントされることもある。

 ハーフカウント(ハーヴィング)は頻脈などの際、2心拍が1つにカウントされるものだが、あまり遭遇せず、手元にわかりやすいCTGがない。

 いずれにしろ、同一の心臓から正しく聴取された心拍数図はスキップすることはない。正しくプローブを置き、CTGモニタリングを行うことが、肝要である。