人工妊娠中絶における配偶者同意について

1.DV・性暴力被害による妊娠(母体保護法第14条第1項第2号)の場合の配偶者同意について
母体保護法第14条には「指定医師は(中略)本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。」とあり、人工妊娠中絶には配偶者があればその同意が必要です。
一方、DVや性暴力による妊娠の場合については以下の通達が発出されています。

子母発0828第2号
子母発0310第1号

夫からのDV被害を受けているなど、夫婦の関係性が実質的に破綻しており、配偶者の同意を得ることが難しい場合には、配偶者の同意はなくても本人の同意のみで、人工妊娠中絶を行うことができます。また、性被害の場合において、加害者の同意は不要です。
DVや性暴力に対しては妊娠のみではなく様々な支援が展開されています。
一人で悩まずに以下のリンクから相談窓口にアクセスしてください。
 DVについての相談:配偶者暴力相談支援センター
 性犯罪・性暴力についての相談:性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

2.未婚の場合の同意について
母体保護法では、人工妊娠中絶の実施に際して「本人及び配偶者の同意」を得ることが必要としています。そのため、法律婚も事実婚もしていない未婚の女性の場合は本人の同意のみで足りることになり、同意書の配偶者欄は空欄になります。
母体保護法での人工妊娠中絶については年齢の規定がなく、未成年であっても同意ができると解されています。