平成17年8月29日放送
  新しい6ブロック体制
  社団法人日本産婦人科医会常務理事 田中 政信


 今日は「新しい6ブロック体制について」と題して、お話をさせて頂きます。

 会員の先生方には何のことかお分かりにならないことと思いますが、「日本産婦人科医会学術集会開催担当」に関するブロック割り、のことでございます。

 まず、イントロと致しまして会員数の推移から入らせて頂きます。
 わが国はいつまでも歯止めがかからない少子化が続いております。産婦人科を志す医師も同様に減少の一途を辿っております。社団法人日本産婦人科医会の会員数は、平成2年度の1万3千814人をピークに徐々に減少し、平成17年3月31日現在では、1万2千450人になってしまいました。地域によっては産科医がいなくなり分娩取扱いができない施設がでてきて、妊婦さんにとっては自分の居住する地域で分娩ができず困惑している現状が出始めてしまいました。
 この現実の中で日本産婦人科医会は、会員がほとんど同じである日本産科婦人科学会と協同して、数年前から事業の重複を避け経費や労働力を削減した、効率のよい効果的な会員の為の事業推進の改革に着手しております。

 今日はその1つであります日本産婦人科医会学術集会について、今後のあり方などの進捗状況をお話させて頂きます。

 日本産婦人科医会学術集会は、日母大会として第1回が昭和49年11月23日に本部が主催して東京で開催されました。その後は近畿・東北・中国・東海・関東・北海道・北陸・九州・四国・本部の順番で担当し、10年で1周するサイクルになっております。今年は近畿ブロックが担当し32回目の学術集会になります。つまり3周期が済み4周期目に入っているわけでありまして、3支部で構成されている東海ブロックにおいては、次に担当する支部は支部として2回目になるというわけでございます。
 前にも述べましたが会員数が減少し、また、医療に対する社会の考えが変化し厳しくなっている現状において、平成13年9月29日の平成13年度日本産婦人科医会第3回理事会で「日母産婦人科大会のあり方検討委員会」が承認され、ブロック推薦委員9名、会長推薦委員5名、本部役員12名の計26名の委員で会員に負担のかからない、なお且つ、若手医師も参加し易いような大会を考慮に入れ、4つの課題について検討することになりました。第1課題は「開催のあり方」、第2課題は「名称について」、第3課題は「補助金について」、第4課題は「大会の旗について」であります。

 まず、第1課題の「開催のあり方」については継続するか廃止するかが話し合われ、継続することが確認されました。
 次に、「開催サイクル」についてはどうするかが話し合われました。現在行われている通り毎年行うか隔年にするのか、又は3、4年に1回とするかなどが話し合われ、当面は現行通りの毎年開催ということになりました。

 では、「開催担当」についてはどうするのか。現行通りの9ブロックで持ち回りとして10年で1周するサイクルで行うか、立候補制にするのか、開催地を固定するか、全て本部主催にするのかなどが検討された結果、会員数の減少などを考慮して、「日母産婦人科大会開催担当」に関してのみのブロックを再編成して、ブロック担当で当面は行うことが確認されました。
 今までもブロック担当ということで施行してまいりましたが、現実は支部担当になっているところもございました。今回、6ブロックとして1ブロックあたりの会員数を増加させ、支部単位ではなく改めてブロック単位で開催を主催することを強調しましたことは、1会員の負担を減少させることも狙いの1つでございます。

 ここで、まず、日本産婦人科医会のブロックについて触れさせて頂きますと、社団法人日本産婦人科医会は定款第3条に、全国を区域とし、本会の目的趣旨に賛同する各都道府県の母体保護法第14条による母体保護法指定医師及び産婦人科医師その他の者をもって組織する。とあり、さらに、定款第3条の2項に、各都道府県に支部を設けることができ、第3項は、全国支部を9ブロックに分ける。と定めております。
 定款細則第2条では、9ブロックとその構成支部は、
 1.北海道ブロック:北海道支部
 2.東北ブロック:青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島県
 3.関東ブロック:茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉県、東京都、神奈川、山梨、長野、静岡県
 4.北陸ブロック:新潟、富山、石川、福井県
 5.東海ブロック:岐阜、愛知、三重県
 6.近畿ブロック:滋賀県、京都、大阪府、兵庫、奈良、和歌山県
 7.中国ブロック:鳥取、島根、岡山、広島、山口県
 8.四国ブロック:徳島、香川、愛媛、高知県
 9.九州ブロック:福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄県
の9ブロックでございます。
 現行のこの9ブロックを日母産婦人科大会の開催に関してのみ、会員数から再編成した6ブロックとすることが確認されました。再編成された6ブロックとは、
 1.北海道・東北、
 2.関東、
 3.北陸・東海、
 4.近畿、
 5.中・四国、
 6.九州、
の6ブロックでございます。ここに10年に1回は本部が入ります。6ブロック持ち回り担当での施行は、本年度の第32回の近畿ブロック担当で10月8日と9日に滋賀県での開催から開始されます。なお、平成18年度は北海道・東北ブロック担当で10月14・15日に福島県で開催されます。
 ブロックということで付け加えさせて頂きますと、財団法人日母おぎゃー献金基金の施設・小口・研究費配分等における地域割りは、全国を13地域に分けて、可能な限り平等に配分が実施できる様に配慮しております。

 次に、第2課題の名称につきましては色々と提案がなされましたが、結局、日本産婦人科医会学術集会○○大会として、○のところに開催地を入れることになりました。提案理由は若手の産婦人科医並びに勤務医が参加しやすく、かつ研究発表等のプログラムを組み込み、学術的色彩も必要であるためであります。この名称は平成14年度の第29回熊本大会から既に実施されております。
 開催担当はブロック単位で行うことを述べましたが、現実は支部単位になっていることを危惧しております。あくまでも開催担当はブロック単位で行って頂きますように、お願い致します。
 なお、開催地・開催方法・内容などの決定は、当然のことでございますが、ブロックの自主性を最大限に尊重することで意見は一致しております。

 昨年を例に挙げさせて頂きますと、関東ブロックが千葉市で開催致しましたが、その際、日産婦学会関東連合地方部会と同時開催し、若手医師の参加を呼びかけ、盛会裏に施行されました。今年も、近畿ブロックは近畿産科婦人科学会学術集会と相互乗り入れで開催されるようでございます。今後の医会・学会の学術集会に対する方向性の一部を垣間見ることができるような気が致します。
 さらに、日本産科婦人科学会学術集会は、来年度から会場を横浜と京都に固定して行われますが、日本産婦人科医会は、会場の固定化は行わないことで意見の一致を見ましたことを付記しておくと共に、学会では学術集会を、現在は4日間開催していますが、期間の短縮や医会との共同なども考慮に入れた検討を開始した様でございます。

 第3課題の補助金につきましては、現在は800万円を本部から補助しておりますが、最近は企業などからの協賛も少なく、追加補助の200万円が通例のように実施されていることなどを勘案し、最初から1,000万円にして、追加は如何なる場合でも行わないことになりました。

 第4課題の大会の旗につきましては、本部で作り変えることに致しました。

 以上、今日は特に新しいということではなく、学術集会の開催を担当して頂くために、会員数の減少に伴い、やむを得ずブロックを再編成し、今年度から施行致しますことをお伝え致します。節約を旨として、可能な限りスリム化し、その中で地方色を豊にし、特色ある学術集会にして頂きたいと願っております。なお、不都合が生じた場合などは、当然のことでございますが、見直しをする必要があることと思います。