平成17年3月21日放送
  第5回理事会より
  社団法人日本産婦人科医会幹事長 宮崎亮一郎


 本日は平成17年3月5日に行われました、本年度最後の第5回日本産婦人科医会の理事会についてご報告致します。
 当日は、弥生を迎えて最初の土曜日でしたが、寒さがぶり返し、各地で雪が降る中、市谷の医会本部に全国各地から諸先生方にご参集戴き、本年度総会へ向けての準備、重要案件について協議されました。
 会に先立ち、出席理事39名、欠席者1名であり本会が定款に則り行われていることを確認の後、まず坂元会長が議長を務め、司会進行役として佐々木副会長が行うことの了解を得、坂元会長から挨拶がありました。

(坂元会長挨拶)

 産婦人科医療は現在存亡の危機にある。この危機を乗り越えるためには、執行部が一致して事にあたらなければならない。この重大な時期を鑑み、次期会長に立候補する。

(報告事項)

  1. 庶務報告
     平成17年2月末現在の会員数は12,528名、平成16年10月末と比較して51名の減である(入会30名、退会38名、死亡43名)。
     各種会議は、ブロック協議会も含め滞りなく遂行されたこと、並びに、叙勲・表彰等に関しての報告があった。
  2. 会計報告
     平成17年1月末までの収支実績報告として、収入累計385,524,714円、支出累計289,004,234円であることが報告された。
  3. その他
    (1)日産婦学会・医会ワーキンググループについて、その主な項目は、
      1. 学会・医会合同名簿作成
      2. 共同発送の実績
      3. 産婦人科研修の必須知識2004販売状況
      4. 医療事故・過誤防止事業
      5. 医療行為に関連した患者死亡の届出
      6. 陣痛促進剤の使用に関するガイドライン作成
      7. 女性健康週間
      8. 両会の組織について
      9. 伊勢佐木クリニック問題
     10. 看護師の問題
    であり、今後も両会の問題点を提起し、継続的に活動していく旨の報告があった。
    (2)切迫早産の治療薬(硫酸マグネシュウム製剤)発売について
     治療薬の発売が当初6月頃になる予定でしたが、秋頃になる旨、製薬会社よりの報告があり、会員へは発売が行われる前または直後に研修ニュースを用いて周知する予定である。
    (3)日本型オープンシステム(仮)の導入状況について
     母子愛育病院で行われている日本型オープンシステム(仮)の紹介が行われた。
    (4)各種アンケート調査結果について
     医療対策で行った各種のアンケート調査結果について、部外秘、内部資料であるのでその取り扱いには注意を要すること、また、各支部でも十分に検討して欲しい旨報告があった。
    (5)有床診療所に関する検討の進捗状況について
     日本医師会の有床診療所委員会に、本会の委員の考え方をまとめ産科医療の特殊性について検討してもらうように働きかける。
    (6)助産師の適正配置に関するアンケート調査の進捗状況について
     現在、数字で表せる項目については徐々に解析行われている。筆記事項のアンケートに関しては、項目を大別して結果を出そうと考えている。
    (7)厚労省医政局看護課長よりの通知(医政看発0125003号)助産師の育成について
     各助産師養成所長宛、文部科学省高等教育医学教育課長宛に、助産師の育成の積極的な推進、履修者数の確保、増加を依頼した旨の報告がなされた。また、課長補佐連絡で、新人助産師臨床実績能力向上推進事業(仮称)の実施について、が各都道府県看護行政担当者宛に提出されている旨、報告がされた。
    (8)出産費用の保険給付化問題について
     厚生労働大臣、医政局長、保険局長、雇用均等・児童家庭局長宛に、また、日本医師会会長宛に、本会並びに日産婦学会各会長名で、「妊娠・分娩の給付のあり方に関する要望書」(従来の出産育児一時金の支給により現金給付の形態を堅持)を提出する予定であるとの報告があった。
    (9)文科省平成17年度「学校・地域保健連絡推進事業」について
     平成17年2月14日付けで、各支部長へ本部から平成17年度「学校・地域保健連絡推進事業」が2月末日までの手挙げ方式である旨通達したが、理事会へは報告となった。
     本事業は日本医師会、県の教育委員会も関係しているのでそれらの点も考慮して頂きたいと報告された。
    (10)NICUに関する実態調査結果について
     昨年度実施した全国NICU363施設へのアンケート調査結果が冊子としてまとまった。その内容は長期入院がやはり多く退院の見込みもつかないものもいる現状が浮き彫りになった。学会へ発表するとともに、厚労省へ働きかけ改善を促したい。
    (11)平成17年度小規模事業所の母性健康管理に関する相談体制の整備に関する委託事業について
     平成17年度も厚労省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課育児・介護休業推進室より引続き委託したいとの連絡があり、本年度実施予定である旨周知して欲しいと報告された。
    (12)乳がん・子宮がん「検診の質評価・公表制度」について
     2月21日、新聞報道された表記問題について報告があり、一部報道内容に誤りがあることに関しての経緯について説明があった。
    (13)平成16年度おぎゃー献金配分について
     施設配分13件、総計約40,000,000円、小口配分13件、総計5,500,000円、研究費配分13件、総計約20,000,000円となったことが報告された。
    (14)財団法人おぎゃー献金基金評議員の変更について
     評議員に新たに、前村俊満、宮城悦子氏が加わることになった。

(協議事項)

  1. 平成17年度事業計画(案)に関する件
     13部1室の新規事業に関して総務より報告、既に各理事には事前に計画段階より参加されており、特段の変更は無かったが、事業の縮小、集中化を図ることについての意見があり、次々年度さらに検討することになった。事業計画は総会にかけることになった。
  2. 平成17年度収支予算(案)に関する件
     公益法人の指導監督基準、および新・公益法人会計基準を満たすために、今回は事業内容の変更を伴わないため、16年度の補正予算は作成せず、上記条件を満たすことを基に、16年度決算を行い、細部は6月総会の決算時に報告することになった。
  3. 第59回通常総会の運営に関する件
     総会は平成17年3月27日に開催され、総会前に予算決算委員会予備審議会が行われること、次年度は役員改選の年であり、事業計画、収支予算、名誉・特別・会費免除会員以外に、役員の選出、顧問・幹事の委嘱が行われる。
  4. 名誉会員の推薦に関する件
     茨城県支部、埼玉県支部、愛知県支部、長崎県支部、熊本県支部より各々1名ずつの名誉会員候補者の実績について検討、さらに本部推薦役員1名
  5. 特別会員の推薦に関する件
     各支部推薦の20名について協議、承認され、総会に諮ることになった。
  6. 平成17年度会費免除者(案)に関する件
     総計282名、77歳以上の高齢者256名、疾病者26名について協議、総会に諮ることになった。
  7. 新規会員の入会承認に関する件
     平成16年11月から平成17年2月末までの新規入会会員は30名であった。うち女性は7名である。承認された。
  8. 第31回全国教授との懇談会に関する件
     平成17年4月3日、国立京都国際会館で行われる懇談会の次第、配布資料について協議、承認された。
  9. 平成18年度4月診療報酬点数改定に関する産婦人科の要望書に関する件
     日医の社会保険診療報酬検討委員会委員長宛要望書、要望項目10項目に関し協議、了承された。
  10. 第28回日本産婦人科医会性教育指導セミナー全国大会の開催に関する件
     平成17年7月10日福岡で開催される大会について、プログラム等につき協議、承認された。
  11. その他
     再度再度着床前診断を実施した兵庫県支部所属会員に対する医会の対応方針(案)に関する件
     時間的経緯、会員倫理委員会での協議事項について報告、協議、承認された。

(理事提出議題)

 日本医師会との協調体制の形成、助産行為に対する医会の考え方の徹底等重要案件について、更なる協議の必要性を確認して会が閉会となりました。