平成12年4月10日放送

 日母研修参加証(シール)の変更について

 日母産婦人科医会常務理事 白須 和裕

 

 本日は、この4月から日産婦学会研修シールと分離して発行することになりました日母研修シールにつきまして、その経緯と取り扱い方を解説させていただきます。

 日母研修参加証いわゆる日母研修シールは日産婦学会認定医制度が発足した際に、卒後研修は日産婦学会が、生涯研修は日母が担当するとの申し合わせから日産婦学会研修シールとセットとして発行されてまいりました。ところで、ご承知のように日母では日産婦学会認定医制度の発足以前より、旧優生保護法、現母体保護法指定医師の技能の研鑽のため生涯研修に力を注いでおり、毎年研修テーマの設定、研修ノートの発刊を行ってまいりました。

 この指定医師の指定基準につきましては、これまでは昭和45年に日本医師会が示しました「指定医師の指定基準」モデルを基に、都道府県医師会が作成した指定基準で運用されてまいりました。しかし、日本医師会では、最初の指定基準モデルの発表から相当の年月が経過しており、この間の社会情勢の変化から指定医師の質の更なる向上を図る目的で昨年3月に新しい「指定医師の指定基準」モデルを示しました。これを受けまして、この4月からは都道府県医師会の指定医師審査会では、新しい指定基準で指定医師の新規指定や更新にあたることになります。この日本医師会が示しました新しい指定基準モデルには、これまでのものに比べて幾つかの変更点がありますが、指定医師の「指定の更新」に関する細則の中で、研修の受講を証明するものの提出が義務づけられることになりました。証明するものとして、日本医師会生涯教育制度参加証、都道府県医師会研修証明書などとともに、日母研修シール(6枚相当)が明記されました。つまり、2年間の更新期間に日母研修シール単独なら6枚は添付していただきたいということになります。最終的には都道府県医師会が日母研修シールの取り扱いを決定することになりますが、何らかの形で日母研修シールが指定医師更新時の参考とされることになるものと予測されます。

 このような事情から、今後日母研修シールはその存在意義が増すものと考えられますので、日産婦学会研修シールと分離して発行することになった次第です。この分離発行に関しましては、昨年11月に日母坂元会長より、日産婦学会青野会長宛の文書で連絡申し上げ了解をいただいております。

 新しい日母研修シールは、一辺約3cmへとサイズを大きくし、中央に発行年度が印刷してあります。これにより、見やすく、また紛失しにくくなると思います。また整理保存する場合の混乱を避けるため、シールの色は日産婦学会研修シールと年度ごとに同じ色に統一してあります。なお日産婦学会研修シールでは集会の規模により1/2シールが発行されますが、日母研修シールには1/2シールの概念はなく、集会の規模に関わりなく日母支部長が認定した研修会には1枚のシールが発行されます。日母研修シールを記録保存するための台紙となる手帳につきましては、全日母会員にお送りいたしますが、都道府県医師会より専用の台紙が指定されています支部につきましてはそれを使っていただきたいと思います。

 続きまして、日母研修シールの取り扱いについて説明をさせていただきます。日母シールは年度ごとに日母本部において作成いたします。本年度は従来の発行枚数を勘案して153,600枚を印刷いたします。これを従来の日母各支部での発行状況に応じて年度始めに一括して支部宛に送付いたしますので、支部において管理していただきます。発行条件は、各都道府県単位並びにそれ以下の地域単位で開催される研修会の場合は、研修テーマなどを勘案して支部長の判断によりシールを発行していただきます。日母ブロック及び全国単位の研修会や学会の場合には、日母会長が判断しシールを発行いたします。即ち、日母会長か日母支部長の判断で日母研修会と認定された場合には、シールの発行をいたしますので、日産婦総会や日産婦学会地方部会など従来日産婦研修シールとセットで発行されていた会につきましては、分離した形にはなりますが日母研修シールも発行されることになる予定です。

 会員へ配布されるまでの流れとしましては、まず研修主催者から日母支部へ日母研修シールの交付申請書を提出していただきます。必要な書式のモデルにつきましては、既に日母支部宛に示してあります。交付申請書には、研修会の主催者、主催責任者、研修テーマ、開催日時、開催場所、講師名、出席予定人数、日母研修シール交付申請枚数などを記入していただきます。支部長が日母研修会にふさわしいと判断した場合には、研修主催者に交付許可書、必要な枚数の日母研修シール、余ったシールのための返却届を送付いたします。発行する日母研修シールには日母支部長の印を押していただきます。なお、出席者名簿の提出については、支部長の判断により必要と認めたときには提出を求めていただきます。研修会が終了しましたら研修主催者は支部へ返却届と発行せずに余ったシール、必要な場合には出席者名簿をつけて返送していただきます。返却届には研修会出席者数、日母研修シール発行枚数、シール返却枚数を記入していただきます。以上のような日母研修シールの流れになりますので、日母各支部においてしていただかなければならない作業としましては、交付申請書の受付並びに日母研修シールなどの発送、支部月例報告により、支部内の研修会実施報告書(様式第4号の書類となります)、これに発行した日母研修シールの枚数を付記して、本部に提出していただきます。年度末には、1年間に行われた研修会での発行枚数を確認し、年度始めに一括して支部に送付されたシールの枚数と照合の上、残りのシールを本部へ返却していただきます。

 日産婦学会認定医の5年ごとの更新は、申請期限が5月となっていますので5年ごとの年度末までに集めた日産婦学会研修シールを添付し提出することになっております。これに対して、母体保護法指定医師の更新は2年ごとに行われますが、その時期は秋10月頃に設定している都道府県が多いようです。この際に提出する日母研修シールを更新の年の年度末までに集めたものとしますと、2年間2色の色のシールを添付することになり、提出する側にとっても、審査する側にとっても分かりやすいといえます。しかし、この方式では、更新の年の春から秋までの約半年間の研修期間を間近の更新に活かすことができないという不都合が生じるおそれがあります。そこで、更新の申請直前までに出席した研修会の日母研修シールを有効としますと、例えば、更新の年の3月までに集めた日母研修シールの枚数が少し足りなかった場合には、秋までの半年間に研修に努力していただく機会がつくれることになります。この方式では年度としては3年度にまたがりますので、3色の色のシールが添付されることになります。日母理事会でどちらの方式にするかを協議いたしましたが、後者の方式が妥当であるとの結論を得ましたので日母研修シールに関しましては更新申請後に行われる研修会から2年間次回更新申請直前までに行われる研修会で発行されるシールを添付することにいたしました。

 本日は、日母研修シールが、分離発行されることになりました経緯とその取り扱いにつきまして説明させていただきました。