(3)浮腫

・婦人科癌の手術でリンパ節郭清術を行った場合は,郭清によりリンパ液の流れが滞り皮下組織にリンパ液が貯留する.
・術後早期にリンパ節郭清の影響により,外陰部,下腹部,大腿部が一過性にむくむことがあるが,一過性の場合は自然に軽快する.
・発症時期には個人差があるが,術後1~2 年以内にみられることが多い.

1 )浮腫の鑑別

 浮腫がリンパ浮腫であるのか,それとも静脈血栓性浮腫,または低蛋白性の浮腫であるか鑑別する.特に静脈血栓浮腫は見落とさないようにする(表27).

2 )リンパ浮腫の病期分類

 リンパ浮腫の診断治療には自覚症状が重要になる.服がきつい,靴がきついなどの症状がみられたらすぐ伝えてくれるよう患者に理解を得ておく.リンパ浮腫は早期発見,早期治療が重要である.リンパ浮腫の病期分類を表28 に示す.


3 )リンパ浮腫の治療法

 リンパ浮腫の治療法は「複合的理学療法」が基本であり,国際的に承認された保存的治療である.
 「複合的理学療法」は以下の4 つの手技から構成される.
①圧迫療法:圧迫により,用手的リンパドレナージによって改善された良好な状態を維持し,リンパ液の再貯留を防ぐ.
②用手的リンパドレナージ:貯まったリンパ液を適切な方向に誘導・排液する.
③圧迫下での運動療法:圧迫した状態での運動により,筋肉や関節のポンプ作用が働き,静脈やリンパ液の流れを促進する.
④スキンケア:肌を清潔に保ち感染を予防するとともに,保湿を維持し肌のバリア機能を高める.
 この複合的理学療法に加え,日常生活指導(肥満の防止,一部を締め付ける着衣を避ける,安静時の患肢挙上など)を行う「複合的治療」がわが国の標準治療である(図39).

・外科的治療
 四肢リンパ浮腫に対する外科的治療として,リンパ管静脈吻合術が行われるようになってきた.Ⅰ~Ⅲ期のリンパ浮腫に対して行われているが,様々な術式が報告されており手技の標準化には至っていない.