8.HBOC患者に遭遇した時の対応は

HBOC及びその疑いのある患者や家族に対する診療
HBOC及びその疑いのある患者や家族に対する診療は、一般産婦人科医は今までカウンセリングを含めてその経験がないため、単独施設では困難であると予想される。患者・家族の相談に配慮し、カウンセリングが必要になった場合には連携を利用するシステムを構築しておく必要がある。すなわち、地域に根差した診療体制の整備と充実のために、各地区の主な病院の婦人科腫瘍専門医、乳腺専門医、臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーなどが集まり、日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構 (JOHBOC)の認定基準に従って、基幹病院、連携病院、協力病院を構築し、顔の見える医療連携体制を整備する必要がある。

この図は日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構 (JOHBOC)の体制を図示したものであり、日本産科婦人科学会のみならず、日本乳癌学会、日本人類遺伝学会のメンバーにより構成されている。基幹施設、連携施設、協力施設の3群に施設を分け、互いに連携することにより、HBOC患者の診療に貢献できるような仕組みになっている。

これが日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構 (JOHBOC)のホームページであり、施設認定、教育研修、患者登録業務を行っている。
 JOHBOC は2016年8月に立ち上がったばかりであるため、今後の課題であるが、自施設が属する地域の基幹施設、連携施設、協力施設がどこなのか、いざとなったらHBOC患者をどの施設に紹介したらよいのか、遺伝カウンセリングはどこが担当してくれるのか、などの情報が入手できるようになればありがたい。

基幹施設、連携施設、協力施設として認定されるためには、この表に示した要件が必須であるため、ホームページを熟読してほしい。我々産婦人科医としては、RRSO実施に際して日本産科婦人科学会より要件が出ており、以下の5つの要件を満たす必要がある(2016年6月掲載)。

1.施設内の倫理委員会の承認
2.遺伝カウンセリング
3.日本婦人科腫瘍専門医が常勤あるいは連携体制が構築
4.病理医の協力体制
5.手術後のホルモン補充療法等のフォローアップ

HBOCに関する自己研修をしたい場合には、「日本HBOCコンソーシアム」のホームページをみていただきたい。この中の「HBOCとは」を開くと教育に関する資料を入手することができるので、知識を得ることはできる。
 なお、HBOCに関する知識を持った患者が外来受診する可能性が高いので、一定の知識を有するために研修会参加や自己研鑽に励んでいただきたい。なお、研修会に関しては年数回開催されるが、JOHBOCのホームページから入手可能である。