13.ステップアップ1(低酸素への対応)

CTGマイスター(ベーシックコース)

ステップアップ1(低酸素への対応)

 CTGの判読で最も重要なことは、胎児が低酸素状態に曝されているか否かを判断することである。ステップアップでは低酸素状態と対応する様々なCTGを示す。
 はじめに子宮内の低酸素状態と胎児のstatusの理解からスタートする。

1. 低酸素の3段階(図1)

 このイベントは様々な原因により絨毛間腔に流入する母体血の流量が減少するか、酸素分圧が低下することで始まる。胎児の旅を安全に管理するために、低酸素状態、低酸素症、酸血症の違いを認識しなければならない。
 子宮内の低酸素状態は胎児の低酸素症を招く。胎児が低酸素症になると、センサーが感知し自律神経系は活発に働き、様々なシグナルを出す。これこそ胎児の声である。低酸素症が長引くと、酸血症(アシドーシス)が発生する。酸血症が発生すると自律神経機能は抑制・破綻し、胎児は声を失う。
 つまり、低酸素状態が改善しない場合、我々は酸血症が発生する前に、胎児を救出(娩出)しなければならないのである。

2.対応するCTG所見(図2)

 低酸素状態、低酸素症、酸血症に対応するCTG所見を理解しておく必要がある。しかし、現実的には、CTG所見だけで、胎児低酸素症と酸血症を明確に判別することは難しい。母体、胎児の背景や分娩の進行状況により、様々なバリアンスが出現すためだ。
 図2にその一つの目安を示す。必ずしもこの通りになるわけではないが、道に迷った時、何かの役に立つかもしれない。

3.様々な低酸素状態(図3)

 分娩中に低酸素状態をもたらす母体の疾患、病態を図3に示す。しかし、これらの中にも様々なバリアンスがある。

4.典型的な胎児の対応(図4)

 ステップアップでは、これらの混沌とした状態を整理するため、まず、はじめに緩やかに発症し、徐々に強くなる低酸素状態を設定し、典型的なCTG所見(胎児の声)を解説する。
 図4はそのダイジェストである。俯瞰していただきたい。はたして、常にこのような手順で胎児は教えてくれるだろうか。